「わあこの店、スープが
美味しいね」

俺の複雑な感情など
知らないであろう
目の前のラーメンにご満悦の
係長に苦笑する。

「係長、酒飲まないんですか?」

これだけじゃあ、
お腹膨れないでしょと言って
注文してくれた鶏肉料理と
野菜の煮物をつまみながら
たずねる。

「今日はいいの。
それより、それ全部食べてね。
私、満腹だから。」

満足気な表情で彼女は言う。


「ありがとうございます。」

遠慮なく箸をすすめるが

「炭水化物だけじゃダメでしょ。
運動してるんだったら。」

続けて発せられた言葉に
カウンターに横並びに座った
係長を、驚いて見遣る。


「なんでそれを…」

「だって、3人ともいい眼を
してきたし、腕の筋肉なんかが
前となんだか違ってみえるから。」

私は専門的な事は
よくわかんないんだけどねって、
続けた彼女に驚いた。


まさしく、以前のゲーム以来
俺も斐川もトレーニングを
再開している。

柏木は、元々、
続けていた様だが…