【完】もう一度、音を愛す。








「希、マイク貸せ!」


「ちょっと、兄・・・
 早坂先生!?」


舞台裏に引っ込んだところで
何かが起こっているようだった。


顔を上げてそちらを見る。



「愛音、怖がるな。」


「幸兄・・・。」


「お前の演奏は昔とちっとも
 変わってないから。

 誰が何人聴いてようとも、
 俺はお前の演奏が一番好きだ。」


ほんと・・・?

思わず涙が浮かんでくる。



「何も考えるな。
 楽しめ。

 お前の音でここを染めてやれ!
 もう一度蓋を開けてみろ!

 お前の世界に変えてやるんだ!」