【完】もう一度、音を愛す。








体育館が驚きに包まれた。


それもそのはず。
早坂幸人ではなく、
私が飛び出したのだから。


お偉いさんは
私の顔までは分からない。


幸兄の出てこない事を
払拭するにはこの方法しかない。


「本日急遽、
 代役で弾かせていただきます。

 宮坂愛音と申します。」



いっそう大きくなるどよめき。

カメラの眩いばかりのフラッシュ。