【完】もう一度、音を愛す。








っ・・・。



元はと言えば私のせいなのに。
私が大会に出たいなんて言ったから。


「亮太さん、幸兄の状態は・・・?」


「もしかしたら、骨折の
 一歩手前かもしれません。」


幸兄の手当てをし終わった後
少し離れたところで聞いてみた。


「やっぱり止めないと・・・!」


準備を始めている幸兄へ近寄ろうとしたが


「愛音さん、あなたが行っても
 何もできないでしょう?

 今あなたはマスコミやお偉いさんの
 目にふれたらまずいんです。」


「だけど・・・。」


「本当に彼のことを思うなら
 意思を尊重してあげてください。」



何も言い返せなかった。
事実だから。


けどもし、今ピアノを弾いてしまったら
一生弾けなくなるかも。