【完】もう一度、音を愛す。








「手、痛めたみたいなんだよ。」


「あっそう、手。
 大したことなくてよ・・・

 くなかったー!!!」



この後ピアノ弾かなくちゃいけないよね?


「響子ねぇ、中止に出来ないの?」


「難しいわね。
 お偉い人たちがもう
 会場入りしてるから。」


「あーもー、心配するなって!
 何とか弾けるとは思うから。」


「へぇ、弾ける?
 こんな状態でも?」


そういって希は手を掴んだ。


「バカ!痛いわ!」



そこまで痛めてるなんて
そんなんで無理してピアノ弾いてたら
悪化するに決まってる。



「止めるわけにはいかねぇよ。
 マスコミも相当数来てる。

 ほら、体育館覗いてみろよ。」