【完】もう一度、音を愛す。








「兄貴ー、来たよー。」


「お前らなぁ、授業抜けただろ。」


「いいじゃん、自由時間
 みたいなもんだったんだよ。

 あのままいたら、
 また何させられるか分かんねぇし。」


「お前らのクラス何やることになったの?」


『・・・・・・。』


「幸兄、コスプレ喫茶だよ。」



あまりにも嫌すぎて
声にも出したくないのか、二人は。


「ど、ドンマイ(笑)」


『笑い事じゃないわ!』


「二人とも声が大きい!」


「愛音、ごめんなさい・・・。」



全くもー。



「私先食べるから、
 幸兄が食べ終わるまでピアノ弾かせて?」


「いいよ。」


精一杯の事をしておかないと
後悔するのは嫌だから。