【完】もう一度、音を愛す。








「暫く会ってませんけどね。」


「どうして・・・?」


「他に好きな人がいるんです、彼に。

 私はその子の性格を知ってるから
 止めてあげたいんだけど、
 そんな意地の悪いことはできないから。

 こうして待つことにしてるんです。」


「いい女の子だね、真緒奈は。」


「そうですかー?」



そういう真緒奈の目には
涙が浮かんでいた。


「私の好きな人さ、幸人先生なんだよね。」


「先生ですか・・・。」


「幼馴染みなんだけど・・・。」


「先生と生徒ですもんね。」


「そうなんだよね。」



何も聞いてこないところが
真緒奈の性格の良さを感じる。


お互い辛い恋中だもんね。