【完】もう一度、音を愛す。








「あぁ・・・苦笑。

 愛音ちゃん、
 ピアノもう一回やらない?」



『えっ・・・。』


皆が息をのんだ。

もちろん私も。




ピアノ。

昔の私には欠かせないものだった。


記憶が戻った今、
考えてみるとやりたくないっていえば
嘘になる。


正直、私が弾いているところを
まだ考えられない。


長年のブランクや
事件のショックから立ち直れるかも
怪しい今にできるのか。