【完】もう一度、音を愛す。








これは皆驚くだろう。



「お母さんの含みのある言いよう、
 響子さんの話を聞いて分かったわ。

 お母さんは多分、
 自分自身でピアノを弾く喜びを
 見つけてほしかったんだと思う。

 響子さんが見つけたように。」



「先生たち、気づいてて
 私をピアノ教室を
 やめさせなかった・・・?」


「私にはあまり記憶が残ってないけど、
 響子さんや幸兄ならわかるんじゃない?

 私の両親はただ
 ピアノが好きな子には
 何があっても弾かせるような
 音楽バカだってことが。」



「確かに・・・。」


幸兄がそういうと、
誰が最初かわからないけど
皆、微笑むぐらいの余裕はできたみたい。


よ、よかった・・・。