【完】もう一度、音を愛す。








「愛音ちゃんに恨まれても仕方ない事を
 私はしてしまったの。

 ・・・信治さんは私の両親が
 仕向けた人間だったから。」




あの事件の犯人が
響子さんの両親が仕向けたものだった?




「それって、どういう・・・。」



「響子の今日したことを
 許すわけじゃないけど。

 愛音、響子が悪いんじゃないんだ。
 それだけは知っておいてやってくれ。」




幸兄。

当たり前だよ。


響子さんのピアノの音
優しい音色だったもん。


お母さんの音色に近かった。



「響子さん、私は真実が知りたい。

 どんな事であろうとも。

 これだけは言わせてください。
 
 あなたの音色に誓って、
 私はあなたを恨んだりなんかしません。」



まっすぐ私は響子さんを見た。