【完】もう一度、音を愛す。








「だから心配なんだよ。」


そういったのは幸兄だった。



「カラコンを外した時、

 響子が昔一緒だった奴だって
 気づいたよ。」



「俺は最初から何となく。」


「私は兄貴と同じ。」



・・・私は喋っても気づかなかったのに。



それは仕方ない、と幸兄はいってから。