【完】もう一度、音を愛す。








「お父さん、聴いてくれる?」


「いいよ、弾いてごらん。」



お父さんとお母さんから
教えてもらった事。


それは、聴いてくれる人のために弾くこと、

想うこと、音を想うこと。


そうすれば音は応えてくれる。


その感覚は心地よいものだった。


鍵盤を弾くと
私の中に音が響いて入ってくる。

その音がまた、外に伝わる。


声を使わない会話ができる。


音とお友達になる。