【完】もう一度、音を愛す。








「そこの生徒たちの音色は
 今までいた教室の音色とは違っていた。

 皆明るく、それでいて澄んだ音色。

 しばらく通ったら
 私もそんな音色が
 出せるようになりました。

 そこには男の子が二人
 女の子が私を入れて三人。

 その中には夫婦の娘さんもいた。


 彼女は年下ながらも
 天才だった。

 彼女の音はだれにも真似できなかった。」




そういって思い出しながら
懐かしむように話す桜、
いや、響子さん。