――あれから、何度も死のうとした。 自分だけが生き残っているという事実に、耐えられなくて。 自分が原因でみんなが死んだという事実から、逃げたくて。 けれど、どれだけ死のうとしても最終的に私は助かってしまい―― 結局、今日まで私は生きてしまった。 「ハァ……ハ、ァ……」 すっかりシワだらけになってしまった手で必死に杖を握り、かつて5人で登った山道を一人で歩く。