今オレがわかること‥。


それは名前がSの人物。


きっとあの銀の刺繍は兄貴のイニシャルに違いない。


それに最後に言いかけた『い』という言葉。


それはきっと名字だ。


だが百子の名字は三浦。


アダナなのかもしれない。


いったい誰なんだ?


《間もなく閉門いたします、まだ学校にいる生徒は速やかに校内から出て下さい。》


校内アナウンスが響きわたる。


「あ、もう‥そんな時間なのか‥。」


涙をふき、三浦百子からの手紙を丁寧にまた小さく折ってポケットの中にしまい
ゲーム教室を後にした。


オレの手には財布が握られている。


最後のゲームは決まった。


そして明日、


携帯ではなくオレの口からゲームを発表する。


さぁ、明日が楽しみだ‥。