いきなり場面が飛び、気づいたら夢の中のオレは玄関のドアの前に立っていた。


「ただいまー!」


勢いよくドアを開け、家の中に入る。


それにしてもオレ別人みたいだな。 


昔のオレってこんな感じだったっけ?


それともオレが思い描いている理想?


そんなことを考えている中、夢の中のオレはリビングへと向かっている。


「あれ?だれもいないのかー?母さん?父さん?」


ここから何回も見つづけていた光景だが一つだけ違う所があった。


それは顔がはっきり見えること。


「クッ!おい!どうしたんだ!?」


リビングを開けた瞬間に漂うガスの臭い。 


まさか、ガスで?


急いで窓を開けて換気をする。


「なぁ!起きろよ!どうしたんだよ!!」


いくら体揺さぶっても目覚めない三人。


「うそだろ‥。オレだけおいて行かないでくれよ!父さん!母さん!広人!!」


涙をこぼしながら必死に体を揺さぶる。


だが起きることはない。


広人‥!!


‥。


目が覚めて時計を見ると、深夜ニ時を過ぎていた。