残ったのは得意と言っていた伊藤翔と正直者で少し名の知れた高橋緑、そして‥。
あ、昨日三浦百子にカツアゲしていた男じゃねーか!
名前は確か‥。
甲斐聡詞。
同じクラスだったことを忘れていた。
やはりまだ名前と顔が一致しない生徒も何人かいるな。
「翔ちゃん!頑張れよ~!!」
「おう!任せておけ!オレは強いからなぁ~、すぐお前のとこ行くぞ!」
バスケ部の渡総馬が大声で応援し、少し教室の空気が暖かくなる。
翔も残り三人なのに笑顔だな。
発言も強気だし、強いとか言いつつ残り三人に入ってるって‥つまり弱いってことじゃないのか?
まぁ、誰が負けようがオレはどうも思わないがな‥。
次に残ったヤツらで二人決めなければならない。
三分の二の確率で死が待っている。
二枚のカードを持っている甲斐聡詞が同じ枚数持っている高橋緑のカードを引こうとする。
「あ、あのさ‥聡詞君。」
「なんだ?」
「私、一枚ジョーカーなの、もし聡詞君がジョーカーを持ってなかったら私持ってるってわかるでしょ?だから‥。」
「高橋‥。」
「もうこのゲームには関わりたくないから‥このカードあげるよ、もちろんジョーカーじゃないよ!」



