ふと周りを見渡してみると、携帯電話をいじる生徒や、堂々とイヤフォンをつけてゲームをする生徒までいた。


そして半分近くの生徒たちが下を向いていて、先生の話を聞いていない。


「本当、よく見つからないよな‥。」


そんなことを呟きながら、数学ノートをペラペラとめくる。


いや、もしかすると先生は見て見ぬフリをしているのかもしれない。


「‥あれ?何でこんなところに??」


ふと見ると、オレの数学ノートの一番後ろのページに、オレの書体ではない文字でゴメンと書かれていた。


オレは普段この数学ノートを貸さないし、ましてはゴメンと数学ノートに書かれるほど、誰かといざこざを起こした覚えがない。


その字はシャープペンシルで書かれた字で、消しゴムで消せばいい話なんだが、どうしても気になってしまう。


一年の時に誰かに貸したか?


そんなことを考えながら数学ノートを閉じる。


オレは何故数学ノートに文字が書かれていたかも、誰が書いたかも何も知らないし、覚えていない。


一体誰が書いたんだ‥?