「そうなんだ。また学校がつまらないとか、本心をださない生徒たちに苛立ったりしてゲームをしないでね?」


また‥‥か。


「まぁ、確かに最初は学校なんてくだらない偽りの人間関係が出来る場としか思っていなかった‥。」


そう言いながら、ジッと三浦百子を見る。


三浦百子もオレを見ていた。


「けど、夢で主催者になり、現実で参加者になった事で学校がどんな所か考えが変わった。だからもうゲームはしない。」


「そっか。それなら良かった!」


ニッと笑う顔が伊藤翔と重なって見えた。


「まぁ、人生長いし。突飛で非現実的な事だって起きるけど、気楽に生きてよ。」


「あははっ、死んだ人間が言うセリフじゃねーよな。」


段々と視界がぼやけ始めてきた。


それが何を意味するのかオレはわかっていた。


「そうだね、もう時間だ。バイバイ!」


「あぁ、じゃあな。」


薄れていく意識の中、ある男の声が聞こえた。


「じゃ~な!修也!!向こうで変わないまま待ってるからな!」


「待っとけ!三浦さんと仲良くな!!翔!!」


そこでオレは目が覚めた。


「やっぱり夢だったか…。」


わかっていても何だか寂しくなる。


人間はあまり本性を出さない。


出したとしてもクソみたいな感情、行動だ。


だが、人間は人を想い合い助け合うことも出来る。


人生がゲームと言っても良いかもしれない。


だが、ゲームと違い、リセットは出来ない。


世界は矛盾な事だらけだ。


「さて、頑張るかな。この人間ゲームを。」


それ以来、オレは三浦百子の夢も悪夢を見ることもなくなった。



          【人間ゲーム終わり。】