次の日学校が終わると、すぐに二台目の携帯電話を買うためにお店へ行った。
その理由は、言わなくてもわかるだろう。
店内に入ると笑顔の店員からスマートフォンをすすめられて、そこにはいろいろな機種、色がある。
「他にも機種はございますが‥。」
「ありがとございます。あの、一番安いのは?」
いくらバイトでお金を貯めたからといって、そんなに多くはない。
メール以外は使う必要がないのだから、別に性能とかどうでもいいのだ。
「お安いのですか?それならこの機種はいかがでしょうか?」
俺の目の前に携帯電話を差し出す。
数年前に発売したものの、あまり人気がなく安くなったらしい。
「色はこの色以外に何色があるんですか?」
「色はホワイト、ブラック、ピンク、ブルーの四種類から選べます。」
「じゃあ、ブラックでお願いします。」
「かしこまりました、少々時間がかかりますのでお待ちください。」
そう言って店の奥へと入っていった。
今持っている携帯電話は白。
そして今回買う携帯電話は黒。
まるで善と悪のようだ。
ボーッと窓の外の景色を眺めていると、さっきの店員が新しい黒の携帯電話を持ってきて、支払いや手続きをする。
「ありがとうございました!」
店員が笑顔で言うのを横目に、俺はそそくさと店を去った。
そしてその携帯電話にクラス全員のメールアドレスを登録する。
これで全てがそろった‥。
あとは今日中にゲームを考えて、この黒い携帯電話に打ち込めば完璧だ。
さて、皆はどうなるのだろうか?
あははっ、楽しみだ‥。