「あぁ、オレの耳と勘が良ければ上手くいくかもしれない……。」
「それってどういう意味なのよ…!!」
オレたちがあまりにも小さい声で長く喋っているせいで佐東未来に気づかれてしまった。
「何喋ってるんだ~?まぁ、いいや。じゃあ、何か言いたいことある?」
どんどん近づく佐東未来と、遠ざかるオレたち。
「一言、言っていいか?オレたちを殺せると思ってるようだが、本当に出来ると思うか??」
「何?殺されるのが怖くなったのか?そりゃ、このくらいの距離だし殺せるだろ?」
と言うことは、やっぱりあの音には気づかなかったか。
あの音はきっと足音だ。
音からして多分五人。
一か八かだ。
「さて、それはどうかな?」
オレがそう言いながら黒い笑みで笑うことによって佐東未来の動きが止まった。
それから先はあっという間の出来事だった。
「警察だ!!動くな!!!」
オレの思ってる通り、天原神とその他四人の警察が教室に入り込み一瞬で佐東未来を取り押さえた。
その時の佐東未来の顔が頭から離れない。
さっきまで幼なじみであるオレを殺そうと殺気全開だった佐東未来が、取り押さえた時にオレの顔を見た。
まるで、助けてくれと目で合図しているように見えた。
さすがのオレも警察の前ではどうしようもなく、ただ連れて行かれるのを見ることしか出来なかった。
この時、本当にゲームが終わったんだと安心したと同時に体に力が抜けて床に座り込んだ。



