気のせいか、さっきよりも佐東未来との距離が近くなった気がする。
オレたちが気づかないうちに、一定の距離をとっていたが佐東未来が徐々に近づいていたのかもしれない。
「ふー………。」
オレは長く息を吐き出し、顔を隠す。
怒っている佐東未来の動きが止まった。
「もう止めにしませんか?こんなくだらないゲームをしても楽しくない。だからもう止めて自首してください。」
「え…?清川??」
まるで絵に描いたような笑顔をつくり、佐東未来に話しかける。
さすがの佐東未来も動揺したような顔をしている。
よし、予想通りだ。
「修也?どうしたんだよ、急に~?」
「佐東未来様が主催者の黒いFUTUREであるなら、自分は主催者のキシになります。なぜなら、同じ主催者なのですから。」
少し嫌みたらしく言うと、佐東未来は一瞬驚き、ははっと笑った。
「なるほど、主催者には主催者をってか!
でも実際には伊藤翔が主催者なんだけどね~。」
そう言いながら、佐東未来は伊藤翔の頭を足で動かした。
その時、オレたちは驚いた。



