「フューチャー??どういう意味?」
川辺あかりは首を傾げる。
その頃、オレはムダに冴えた頭で最悪な推測をした。
薄々感づいていたのに、やっぱり否定したくなる。
辛過ぎたあまりに涙が零れるほどだ。
「ちょっと!もしかして泣いてんの!?気持ちが悪い!!」
「実名じゃねーか…。」
床に零れる涙を見ながら、立ち上がった。
思いもよらないことで焦る二人。
「大丈夫か??女子じゃないけどハンカチあるから。それで拭い…………。」
伊藤翔がポケットからハンカチを取り出している最中伊藤翔の動きが止まった。
「伊藤?何止まってんのよ!?」
「…グフッ………。」
短すぎる悲痛の声を上げたと同時に床へ崩れ落ちる伊藤翔。
ゴツという鈍い音が冷たく響き渡る。
そして、伊藤翔の背後には、さっきまでいなかったフードをかぶった人が立っていた。
オレの推測が実現してしまった瞬間だ。



