「あぁ…………。」
思わずオレは床に座り込んだ。
「どういうことよ?指示???」
川辺あかり混乱気味に伊藤翔に聞く。
これ以上考えたくない…。
もしもこのままオレの推測が当たっているなら、オレは……。
「どういうことか説明してくれないか?」
「あ、あぁ。百子が死んでから本当につまらなくてパソコンばっかり使っていた。」
オレは下を向いたまま動かない。
オレが説明しろと言ったのに、何を怯えているんだ。
自分に嫌気がさした。
そんなことを知らない伊藤翔は、話し続ける。
「そんなある日、あるサイトで知り合った男が復讐ゲームを持ちかけてきた。実際どうにでもなれと思ってたし、誘いにのった。」
まるで、台本でも読んでいるかのような伊藤翔の喋り方、普段ならイラつくが何にも感じない。
それより早く確かめたいことがある。
「その男は何ていう名前なんだ?」
「さすがに実名を書くバカはいないでしょう?」
川辺あかりがハァと呆れた顔でオレを見る。
思わず言い返しそうになったが止めた。
いや、川辺あかりなら実名を書く気がするぞとはさすがに言えなかった。
「何かのヒントになるかもしれない。」
そう言うと、伊藤翔は少し不思議そうな顔をして口を開いた。



