「そうだ。実はあの夢の主催者はオレだったんだよ。理由は家族を奪った学校への復讐で。」
オレは少し笑いながら言った。
それがどれだけの恐怖をうむのか知った上で。
普通なら何も驚くことはない。
だが、オレの夢がほとんど現実で起きているを知ってしまった二人は驚く要素の一つとなっている。
二人とも驚きのあまりに声が出せていない。
そんな二人の表情を続けたオレは再び話し始める。
「夢の中では、まだ三浦百子も生きていてイジメの対象となっていた。そしてこの教室で睡眠薬を大量に飲んで自殺した。」
「全部あってる…。」
伊藤翔が声を振り絞るように言った。
「マジかよ。オレまでも怖くなってきた。」
オレの夢がそこまであうと、オレは化け物なんじゃないのかって気がしてくる。
「だったら、結局その後はどうなったんだ?」
さっきまで驚いていたのが嘘のように、いつもと変わらずヘラヘラしながら翔が聞いてきた。
「あの時は、最終ゲームをして…ってところで目が覚めた。」
「なるほどね~。もういいや、辞めたわゲームするの。」
サラッと衝撃的なことを言われたせいで、つい聞き逃しかけた。
川辺あかりは気づかなかったようで、まだ驚いていない。



