「あぁ、それはお前が三浦百子の兄だからだ。」
「…何で……。」
伊藤翔は驚きのあまりに手に持っていた携帯電話を落とした。
ガチャンという音が妙に響く。
「……やっぱり、そうなのか……。」
オレは伊藤翔の動作を見て確信を持った。
「あかりが言ったのか?」
「別に、何も言ってないわ。」
伊藤翔は少し焦りながら携帯電話を拾う。
「これはオレの推測なんだが聞いてくれるか?」
オレは伊藤翔の顔を向くと伊藤翔はパッとそむけた。
「問いかけたって言うんでしょ?それならもったいぶらずに言いなさいよ。」
川辺あかりがハァと呆れたように言う。
「あぁ、三浦百子と翔は親の離婚で離ればなれになったが高校で再開した。だが、クラス内のイジメが原因で三浦百子が自殺。だから…。」
「やめろ!!」
伊藤翔が大声を上げて、話が途中で止まる。
再び沈黙が訪れた。
「もう…やめろ。お前の推測が当たり過ぎて、その先を聞くのが怖くなっちゃうよ~。」
伊藤翔は、あははっと悲しく笑いながら床を見た。
「ここで三浦百子が死んだんだ、とでも言うのか?」
オレが言った言葉に伊藤翔はバッと驚いた顔をしてオレの方を向いた。
伊藤翔だけではない、川辺あかりも驚いていた。



