「あれ?二人とも何してんの??まさかここに鬼が来たとか!?」
「いや、急いでここへ来たから疲れただけだ。それよりお前も無事で良かった。」
そう言いながらオレたちは立ち上がって一定の距離をおいた。
「え?何?怖いな~、いったいどうしたんだよ。」
言いたくないな、というのが正直な気持ち。
だが、言わなければ主催者なのかどうかはわからない。
「ちょっと聞きたいんだけど、あんたって主催者なの?」
オレがなかなか言わない事にしびれを切らした
川辺あかりが直球に聞いた。
珍しく冷静さを保ちながら…。
教室に沈黙という重い空気が流れる。
「どうにか言いなさいよ!伊藤!!」
伊藤翔…。
オレたちと同じクラスで、今主催者だと疑っている人物だ。
「仮に主催者だとして証拠とかあるわけ?ないのなら困るよ~?」
伊藤翔はいつもと変わらない笑顔でオレたちを見ている。
それが恐怖を倍増させていく。
「証拠は…正直ない。だがそれをする動機ならある。」
「動機…?」
伊藤翔もまさか動機があると言われるとは思ってもいなかったらしく、少し驚いていた。