同じ…?
オレはその言葉に疑問を抱いた。
「ちょっと待て、同じって兄想いの部分もか?」
オレが慌てて言うと、川辺あかりはキョトンとした顔になった。
「えぇ、そうだけど…。三浦とは保育園の頃から腐れ縁だから。」
川辺あかりは少し悲しい目をしながら呟く。
保育園から!?
オレは思わず驚いてしまった。
だから兄を知っているのか…。
保育園から一緒のヤツをイジメる川辺あかりの神経に苛立ちを感じてしまうが、必死に冷静を装った。
だったら……まさか!!
「ねぇ!!何黙ってるのよ!!」
川辺あかりがオレの肩を押す。
オレは肩を押される前の表情のまま、ヨロヨロとニ、三歩後ろへ下がった。
「なぁ、さっき三浦百子の呪いとか言ってたよな。」
オレが低い声で言うと川辺あかりの肩がビクッと上がった。
「だから?言っておくけど、謝らないから。」
「いや、オレが言いたいのはそういう事じゃない。」
まぁ、謝ってほしい気持ちはあるんだがな。
それよりも重要な事は…。
「じゃあ何なのよ…。」
川辺あかりは心配そうな目をしてこっちを見た。
ふと視線が合う。
「三浦百子が死んで最も悲しむのは誰だ?」
オレは地面を向きながら言った。
「それは家族じゃないの?それか恋人…はいないか。」
「その通りだ。じゃあ、家族が仮に自殺した原因がクラス内のイジメだと知っていたら?」
オレが言うと川辺あかりは考えるように黙り込んだ。
異様な空間に静寂な時が流れる。
「…え?……それって!」
川辺あかりは理解したらしく、ハッとした表情をした。
だがその後、急に暗い顔をした。
それはオレも同じだ。