「あいつの呪いってどういう意味だ?」
自然とオレの手に力が入る。
「え?確か清川が転校する前に自殺したから、知らないはずでしょ?まるで知っているかのような口振りね。」
確かにその通りだ。
現実では三浦百子に会ったことがない。
だが夢の中での記憶が、さも現実だったかのように思ってしまう。
「まぁ、清川修也の呪いもあり得るけど。」
「あははっ…。確かにな。」
オレは作り笑いをしながら地面を見た。
オレは何をしているんだよ…。
「…で、清川は三浦のことを知ってるの?」
「あぁ、どうなんだろうな?実際には会ったことはないが何となくわかる。」
オレはそう言いながら自分の手の平を見つめた。
手のひらにはくっきりと爪の後がついていて、どれだけ力を入れていたのかわかる。
「何よ、それ。全然意味がわからない。」
だよな…。
オレだって、もし同じことを川辺あかりに言われたら同じことを言ってたと思う。
「きっと、優しくて兄想いのヤツだったんだろうなーっとオレの妄想だ。気にするな。」
「…気にするわよ。」
川辺あかりが低く、小さな声で呟く。
その声に正直ゾクッとした。
親に怒られる前の子どもの気分だ。
川辺あかりはオレを見て再び口を開いた。
「気にするわよ!だって清川が言った妄想が三浦の性格と同じだから…。」



