私立の高校に転校して、もう一週間が経過する。


そして、最初のときには曖昧だったクラスの上下関係が確信へと変わった。


表では先生が言っていたように皆が仲良く、元気で明るいクラスだ。


だが裏では、イジメをして楽しんでいるヤツとそれを見て何も言えないヤツ、イジメられているヤツの三つにわかれていた。


まぁ、オレはどれにも入っていないと思うが‥。


いや、周りからするとオレはイジメを見てるが、何も言えないヤツに分類されているのか?


もしその分類に入っていたとしても、オレはそんなものには興味がない。


これから命がけのゲームをするっていうのに、そんなことに一々気になったりしない。


気にしたって時間の無駄だ。


「おい!クソ三浦~、何見てんだよ!!」


はぁー、また始まったか‥。


ため息をつきながら声のする方向を見ると、川辺あかりを中心に三浦百子をイジメていた。


川辺あかりはイジメのリーダー的存在で、一緒に行動しているヤツらと色々な生徒にイジメをしているらしい。


三浦百子へのイジメは入学してすぐだと聞いているから、もう一年以上もイジメられていることになる。


あいつ、よく耐えられるよな‥‥。


少し同情したが特に何もしない。


オレは自分の席に座り、その光景をただ眺めていた。


「許して‥!!」


三浦百子は今にも消えそうなか細い声で必死に抵抗をする。


足には無数のアザがあり、何度も蹴られたとわかる。


「はぁ~?キモッ!ちょっとトイレ来い!」


「キャ!止めて!!」


「うるせぇよ!来い!!」


三浦百子は女子たちに両腕をつかまれて、そのまま教室を出て行った。