「っ……痛……。」
捻挫した足に力を入れないように心がけながら立ち上がり、痛む尻を手でさする。
「じゃあ、これから一人で逃げれば!?別に一緒にいたくて逃げたわけじゃないし!」
何だよ、それ…。
これから一人で…か?
まぁ、捻挫しているオレがいても迷惑なだけだし、川辺あかりが言っていることが最もだ。
「…そうかよ…。じゃあ、鬼に見つからないようにな…。」
もう、オレにはこれしか言えない。
オレの不甲斐なさに苛立ちを感じた頃だった。
「ん…?メールか…。」
こんな時にメールが届くなんて。
それもふまえてイライラしながら、鬼がいないか再度確認をしてからメールの内容を見た。
もう、言葉も涙も出なかった。
「…あ………だろ……。」
メールの相手は意外にもメーケだった。
「川辺!急いで携帯電話を見ろ!!!」
オレが大声で叫ぶと、少し離れたところまで歩いていた川辺あかりが立ち止まって振り返った。
「何よ!さっきは…!!」
「つべこべ言わずに見ろ!!!」
オレがあまりにも必死だったからなのか、川辺あかりは驚いた顔をして言われた通りにバッグの中に入れていた携帯電話を取り出した。
そして内容を見た瞬間、川辺あかりの携帯電話が小刻みに震え始めた。



