人間ゲーム


「わかってるんだったら別に…。しょうがない!やるか!」


川辺あかりは少し背伸びをしながら、ベランダの柵に足をかけた。


地面を冷たい目で見下す。


もうオドオドしていた川辺あかりの姿はいなくなっていた。


「清川もすぐに来てよね。」


そう言い残して思っていたよりもキレイなフォームでベランダから倉庫、そして地面へと降りて行った。


「何だよ…余裕で降りられるんじゃねーか。」


一人になったベランダで呟く。


やはり、音に気づいたらしく渡総馬の足音が速くなった。


走ってベランダへ向かっている証拠だ。


オレの部屋は鍵がかかっているから、きっと広人の部屋からベランダへ来る。


オレも急がねぇーと。


「あ‥、見ぃつけた!これで交代で‥。」


渡総馬は口角をつり上げて笑っている。


「すまないが、オレは鬼になるつもりはない。じゃあな。」


そう言い残して、オレは何のためらいもなく倉庫へ飛び降りた。


「はぁ!?嘘だろ!??」


渡総馬はとっさにオレを掴もうとしたが、それはオレには届かない。


急いでオレは川辺あかりがいる地面へ降りた。


「ふん!本当に危なっかしい人ね!‥清川?」