「続くか…。じゃあ、オレが終わらせることが出来るとしたらどうする?」
オレは机の上に置いていたお茶を手に取りながら話す。
突然のことで、さすがに翔も驚いていた。
「え?何?そんなこと出来るの??」
翔が冗談だろと大笑いされたのに少しイラついたが平然を装って話し続ける。
「いや、出来るかどうかはわからないが、これ以上死人を増やしたくないな、と思って。」
オレがマジメに話していることに気づいたのか、翔がほんの少しだけマジメになった。
他の人なら気づかないかもしれないが、夢の中でいろいろと探っているうちに、声のトーンや表情、そして動作の微妙な変化に気づくようになった。
「まぁな~、でもどうすれば良いのか、わかんねーじゃん?」
確かにその通りだ。
「あぁ、だがオレは夢で見……。」
そこでオレはピタリと止まった。
「お?夢?夢ってあの寝るときに見るアレのことか?」
オレってどれだけ口が軽いんだ。
夢のことは言わないつもりだったのに、家族や警察官、さらにはオレよりも口が軽い翔にまでも…。
改めてオレ自身に後悔した。
言うしかないか……。
ハァとため息をつき、ゆっくりとオレは口を開いた。
「翔に言ってなかったよな?オレがなぜ転校したのか。」
「おー、どうせ前の高校が嫌にでもなったんだろ?」
ハズレだが、なぜか翔は誇らしげな、まるで絵に描いたようなどや顔をオレに見せつけている。
そのせいで一気に言う気がうせたが、オレはムダに頑張って話す。



