「ごめん、母さん。オレ今日ちょっと行かなければならない場所があるんだ。だから今は休むなんてことは出来ない。」


オレなんかが今休んではいけない。


今、生徒たちは見えない恐怖に脅えている。


次は自分が死ぬかもしれないと思っている生徒が多いだろう。


もしかしたら誰にも言えずに一人で悩み込んでいるヤツもいるかもしれない。


オレも家族がいなければ独りきりで考えていただろう。


だからオレは主催者メーケの正体を暴き出し、
意味もないゲームをとめなければ…。


たくさんの生徒が死ぬ可能性もある。


家族がいろいろ言っているが、オレの耳には届かなかった。


「じゃあ、オレ出かけてくるから。」


一方的に言って、リビングを後にする。


何時間で終わるかな…。


まるで社会見学でもするような気分。


だが、言い表せない不安もある。


オレはいろいろな感情に支配されながら、出かける準備をし、家を出た。