やっとたどり着いた。
数分後でついたのに、距離がとても長く感じた。
ピンポーン
息をととのえながらインターフォンを鳴らす。
「はぁーい。」
家の奥で女性の声が聞こえてきた。
ガチャ
ゆっくりとドアが開かれる。
「はい、どちら様ですか?」
きっとこの人は鳥沢海の母親だろう。
「いきなりすみません!オレ海の友人です!!急いでいるので海の部屋へ行かせてください。」
そう言いながら勝手に家へ上がり込む。
「ちょっと!警察呼びますよ!」
そんな母親を無視して二階へと上がる。
母親はオレの腕を掴みながら、そのまま一緒に二階へ上がってしまった。
するとドアにひらがなで《かい》と書かれている部屋を見つけた。
きっとこれだ!
急いでドアを開ける。
「鳥沢!!!!」
「嘘でしょう??海!!!!」
そこには無惨にも血だらけで、もう死んでいるということが一目見てわかるほど
大量の血が床を濡らしている鳥沢海の姿があった。
「うっ‥‥お母さん、早く警察を呼んでください!オレは行かなければならない所があるので!!」
「え??えぇ‥‥、ねぇ、海?どうしちゃったの??」
母親は今起きている状況がわかっていないようで困惑している様子だ。
だが今は‥‥。
すまない、鳥沢‥。
鳥沢海の部屋で一礼をし、急いで家を飛び出した。



