オレがこの学校へきて早くも一ヶ月が経過した。


内心ビクビクしながら学校生活を過ごしたのだが、一ヶ月経っても何も起きない。


このまま起きないでほしいが‥。


もしかすると、数ヶ月経って起きることなのかもしれない。


そう思うと卒業までに一気に老けそうな気がしてきた。


「おい、修也~!」


オレの目の前で手を振る翔。


「あぁ、どうしたんだ?」


「どうしたんだ?じゃねーよ!夏休みだぞ?青春の一ページをつくりてぇー。」


そう言いながら翔がニヤニヤとオレを見つめる。


何もないまま、一学期が終える。


今日は終業式で午前中に終わった。


校外へ出ると、近くで蝉の鳴く音が強く聞こえてきた。


さすがに夏休みには始まらないだろう。


したとしても効率が悪すぎる。


するとしたら二学期が始まってからだな。


自分で勝手に推理する。


オレが黙っていることに不満をもったのか、隣にいた翔がオレの肩を強く叩いてきた。


その衝撃で思わずよろけてしまう。


「痛ぇな‥。何だよ、急に。」


叩かれた肩を手でさすりながら翔を睨みつける。


「いやー?何となく~、そうだ!修也に聞いたことがあったんだよ。」


聞いたこと‥?


「え?何だ??」


翔の方を向くと異様なオーラを出していることに気がついた。


思わず生唾を飲み込む。