無事に全てのテストが終わった。


全てのテストがあの夢と同じだった。


そこまで同じだと、恐怖を通りこして笑えてくる。


オレがそんなことを考えているとも知らずに教室の中は騒がしい。


余裕な顔で話す男子生徒。


明日来ないでー!と拝むマネをしている女子生徒。


教室の中で様々な表情をする生徒たち。


夢の中と同じ内容のテストのおかげで赤点をまぬがれるであろうオレの横には魂が抜け、からだけになっている未来がいる。


オレもあぁなってたのかな‥?


「あぁ‥怒られる‥てか‥殺される。」


ぶつぶつ呟いている未来の肩を軽く叩いて急いで教室から出た。


今すぐに調べたいことがあったからだ。


もしあれが予知夢なら、


クラスのヤツらも同じはずだ‥。


早くそれが知りたい!!


学校がだんだん遠くなり、肉眼ではもう見えない所まで行くとため息をついた。


予知夢かどうか知りたいという気持ちと、予知夢であってほしくないという気持ちで身動きがとれない。


その気持ちのせいで足がとまる。


だがオレは‥、


もうあんな想いはしたくない‥!


その気持ちが一番強かった。


気づくとオレは小走りになっていて、そして全力疾走なみの速さで広人がいる高校へと走った。