人間ゲーム



何とか無事に午前のテストは終わり、今は昼休み。


それにしてもオレは驚いていた。


あの時と内容が同じだったからだ。


まさかオレが見ていたのは予知夢ってやつなのか?


そのおかげで赤点はまぬがれそうだ‥。


「修也、お前勉強していなかったんだよな?」


未来が不服そうな顔でオレを見ている。


「あぁ、していなかったが‥。」


夢の中でしたとは絶対に言えない。


「なら修也が憎いよ、マジメにー。」


昼ご飯のパンを頬張りながら、オレの肩を叩く。


「そんなこと言うなよー‥、そうだ!未来に聞きたいことがある。」


「お?何だ??」


今さっきの不服そうな表情はどうしたんやら、今は忠犬のような顔でオレの話を待っている。


「広人が通っている高校とバスケ合同練習したことあるか??」


「珍しいな~、バスケの話するなんてー‥そういえば一回だけあったわ。」


今オレが知りたいことはあの人物は実在したかどうか。


「まぁな、渡総馬って知ってるか?少しチャラいヤツなんだけど。」


どうだ‥。


未来は少し悩んだ後、口を開いた。


「名前は知らないがそんなヤツはいたぞ?話しかけられた。」


「話しかけられたのか!?」


思わず声が大きくなる。


「お、おう、練習してたらボールがきてそこのイケメン君とってくれない?って言われた。」


まさか、そんなことがあるのか!?


間違いなく渡総馬だ‥。


夢の中で初めて会った時も似たような言葉を言っていたはず。


ここまでオレの夢の通りならこれからどうなるんだ??


まさか家族が自殺してゲームをやるってことなのか!?


それとも何か他に‥‥?


「修也今日変だぞ?」


「‥‥オレは昔から変だ!」


どや顔をすると、だな!と言いながら未来が笑い始めた。


オレもそれにつられて笑ってしまった。


笑顔の裏に恐怖を隠したまま‥‥。