それからオレは退学届けを出したり、入学の手続きをしたりと忙しかった。


突然の退学で、オレのいたクラスの生徒はもちろん、担任の先生も驚いていた。


驚いて当然か‥。


オレだって、もし未来が突然退学したら驚くだろうしな。


そして私立の高校へ行くためには、色々とお金がかかってしまう。


だからこの期間はアルバイトを増やして、一生懸命に働いた。


嫌になるが、きっと沢山お金を使う日がくるだろうと思って‥。


「いや~、清川君はよく働くね。」


あるバイト先の店長が、自慢のヒゲを触りながらニコニコしている。


「ありがとうございます!お金を使うので今貯めておかないと。」


「ハッハッ!!いや~、頼もしいな~!期待してるよ。」


そう言ってオレの肩をポンと優しく叩いた。


期待されることは嫌いではないが、残念ながらあと少しの付き合いだ。


お金が貯まったら、オレは何カ所かアルバイトを辞める。


そして孤独になったオレは、たった独りで新しい学校へ行く。


あのクシャクシャのパンフレットを持って‥。