「どうしたの?食べないの?」
少し心配そうにオレを見る母さんに気づき、ハッと我にかえる。
「あ‥食べるに決まってる!!」
「なら早く食べなよ!明日テストなんでしょ?俺は違うけどー。」
広人が言った言葉に耳を疑った。
明日がテスト!!?
今季節的には夏らしいが‥。
急いで近くにあったカレンダーを見ると高校二年の一学期後半だということを理解した。
やばいな‥。
夢と現実が曖昧でどこまで現実に起きたことなのかわからなくなっている。
ニャー。
どこかで聞いたことある鳴き声だな‥。
鳴き声をする方向を見るとそこには猫のショコラがいた。
「どうしたの?兄ちゃん??食べないなら俺食べちゃうよ。」
「おいおい!オレ食うって言ってただろ!?何食べようとしてるんだよ。」
「ふふ、もう二人とも高校生なんだから喧嘩しないの!」
父さんと母さんが顔を見合いながら笑っている。
とにかく今はこのカレーを食べて夢は後で考えるとするか‥‥。
そしてひとときの楽しい食卓をしたがショコラの表情がなぜか冷たく見えた。