人間ゲーム



「良かった、修也起きたのね~!ご飯どうしようかと困ってたのよ。」


「そうだよね、本当困っちゃうよ!」


廊下につくと、母さんと広人の声が聞こえてきた。


ずっと聞きたかった声を聞き頬に一筋の液体が流れ落ちる。


あ、オレ泣いてるのか‥‥。


オレってこんなに泣き虫だったっけ?


いや、あの時から夢なら今日久しぶりに泣いたことになるのかな‥?


目をこすりながら、短いため息をついてリビングのドアを開けた。


「ふぁー‥よく寝たなー!」


少しアクビをしながら、リビングへと入る。


少し下手な芝居をしすぎたかもしれない。


でもそんなことしないと緊張と不安でたえられなったからだ。


「本当だよ、寝過ぎだって!」


「ふふっ、じゃあ早く食べなさい。冷めちゃうから。」


夜ご飯のカレーを食べながら笑う広人。


エプロン姿で微笑む母さん。


ニコニコとオレをみている父さん。


これだ、オレがずっと想いえがいていた光景は‥。


この三人からするといつもの光景だろうが、オレにとってはとても新鮮な光景。


なぜなら夢の中では約半年も家族がいなかったからだ‥。


本当に全てが懐かしく感じる。