ちなみに、あたしはどうなんだ、と聞かれたら。こう答える。




「あたしは、この目で見たものしか信じない。ホントにいるかどうかなんて興味ない。ホントにいたって、見えなきゃいないのと一緒じゃん」

「げぇ。女子って意外とリアリストなんだな。あー、唯が特別なんかね」




「見えないものをどう信じるっての。『見たことあるから存在する』『見たことないから存在しない』。簡単じゃん」

「空気とか風は?」




「科学的に存在が証明されてるから例外」

「恋愛感情は?」




「んー、確かに見えないね。でもあると思う」

「なんで」




「その方がロマンチックじゃん」

「なんだそれ」





とまァ、それはそうとして。






結局なにが言いたかったのかというと。






あたしは基本的に、「見えるものしか信じない」ということ。






それから






「最近、信じるモノがひとつ増えた」ということ。






「『モノ』とか言うなよ。傷付くだろ」

「じゃあなんて言えばいいわけ?」

「『ヒト』でいいだろ。俺たちユーレイだって元は人間なんだぞ」







あたしには、ユーレイが見える。
だから、ユーレイだけは、信じるしかないのだ。