夏休み直前に私は瀬峰工業高校に来た。


本当はもっと早くに来る予定だったが
すっかり忘れてた。


校門の前には落書きやゴミで汚れてる。

きっと中はもっと酷いのだろう。


今はお昼頃で暑さもピーク。

そのせいか校門には誰もいない。


手に持つスピーカーを
口に当てスイッチをオンにする。


「瀬峰工業高校の矢島隆」

「今すぐ校門に出てこい」


音は学校内のスピーカーに繋いである。

きっと校内には私の声が響き渡る。







「お前らの大好きな藤咲から、」


私の復讐が始まる。


「キツネが来たよ」