「なんで、ここにいるの」
学校を教えたことも、
今日病院に行くことも教えてないのに。
「まあまあ。取り敢えず乗れよ」
助手席のドアを開けてくれる宏樹は
相変わらず紳士だが。
嫌な予感がするのは気のせいか。
「質問に答えて」
シートベルトを締めた宏樹を睨むと
睨み返された。
「どっかの誰かが一年間以上も病院に
来ないから心配した。
病院変えたのかとも思ったけど一応、
看護婦達に言っておいた。
『羽咲帝から連絡来たら直ぐ知らせる』
ってな。
そしたら今日、今さっき連絡もらった。
これでいいか?」
ため息をつきながら私を見るが、
まだ質問に答えてないところがある。
「なんで私の学校と居場所が、」
「調べた。それよりも俺はお前に聞きたいことがある。
今まで薬はどうしてた。
あの薬は其処ら薬屋では入手できない。
病気の症状はどうだ。
あと、精神的にも大丈夫か?」
最後の質問では私を窺うようにするから
心が痛くなった。
苦しいのは私だけではないのに
こうやって宏樹に気を遣わせてる。