となり

「…あんたこそ、こんなに頭がいいのになんであんな偏差値も低い学校に入ったんだ?」


樹くらい勉強ができたらもっと偏差値の高い学校に入れたんじゃないかな…。


そう思って聞くと、一瞬樹の採点をする手が止まった。


……あれ?


「…うん。まぁ、この俺ならもっと上に行けただろうな。俺、天才だし」


また採点する手を動かしてそう言った。


「なんだよ。自分で天才とか言ってんじゃねぇよ」


さっきの樹は明らかにおかしいと思いながらも、なんだかそこに触れてはいけない気がして気にしないフリをした。