となり

その言葉と同時に私は後ろに引き寄せられた。


突然の出来事に思考回路が止まってしまう。


「待って…話すから……」


今、私がおかれているこの状況って……。


樹に今、抱きしめられている…?


いや、抱きしめられてるんだ。


顔が赤くなるのがわかった。だけど今はそんなことより…。


私は樹が話すことに耳を傾けた。


樹はこの体勢のまま話を始める。


「…あの時、突然愛華に告白されてびっくりした。いきなりすぎて一時の間なんも考えられなくなった」


「………」


何も言わずに樹の言うことを聞き続けた。


「だからメールの返信も遅くなっちまったんだ、ごめんな」


…そういうことだったのか。