「さ、家に帰ってからも勉強しなきゃね!」


片岡さんは学年でいつも5位以内の成績を維持しているという噂を聞いたことがある。


今日先生が言っていたことや、真面目にそう言うのを聞いてその噂はホントなんだろなって思った。


だってこんなに努力してるんだもん。


私も見習おう。


今度の期末では何位までに入れるように頑張ろうかなぁ。


なんて考えながら荷物をまとめる。


それから2人で教室を出て靴箱へと向かった。


「そういえばさ、今回のテストは難しいって先生たちが言ってた」


「えぇ?!なんか、ヤバイ…。不安になってくる…」


そんな会話をしながら廊下を歩いていると、少し離れた所にある教室から人が出てくるのが見えた。


その人は私たちがいる方向に振り向いた。


その瞬間、私の心臓がドクンとなった。




だってその人は樹だったから。