となり

「…どこからが友達なんてないよ、きっと。友達って思ったら、もう友達になれたってことでいいんじゃない？」


「うん…」


少し照れくさかった。


初めて友達という存在ができたことが。


そして片岡さんは少し間をあけて話した。


「さっきは…突然何があったか話して、なんて言ったけど…。姫川さんがイヤなら無理に聞き出さないよ。


ただね、１人で辛いことを抱え込んじゃダメだからね。ホントに辛くなったときは頼ってね」


ホントに、この人はどこまでも優しい人なんだ。


「ありがとう。じゃあ…ホントに耐えられなくなった時は話を聞いてくれる？」


「もちろん」


自然と笑顔になれた。


作り笑いなんかじゃなく、ホントの笑顔。


私、この人に出会えてよかった。


樹とのことはまだ何も変わっていないけど、片岡さんがいてくれたおかげで少し心が軽くなったような気がする。