となり

「5人分追加ね~!」


「はーい!」


みんな誰かと来るから1回の注文の数が意外に多い。


私たちが一生懸命焼きそばを作っているとき、ある人の名前が聞こえた。


「あ!南波先輩来たよっ」


「ホントだっ」


えっ?!


思わず焼きそばを作る手を止めて顔を上げた。


するとそこにはみんなのいう通り、ドアの方に樹がいた。


樹が私に気づいてニカッと笑った。


樹は3人の友達を引き連れてやってきていた。


そして接客の子が樹たちを席に通す。


席に行く途中、私の目の前を通った樹が


「ほら、手を動かせ!うまい焼きそばよろしくな」


と言ってきた。


「はいよ」


笑いながらそう返事をして私は視線を鉄板に戻した。