となり

「……そうよね、嫌いで当たり前---…」


「バーカ!」


母親が話すのも遮ってそう言った。


「バーカ、バーカ、バーカ…!」


…なんか、今の私…すごく幼稚だ。


バーカ、バーカ言ってると、とうとう涙が出てきた。



「アホ…。ずっと、あんたのことなんか大嫌いだって思ってた。あんたに見放されてても、愛されてなくても…そんなのどうでもいいって思ってた…っ」


「………」


「だけど、あんたが倒れて…血吐いて…目覚まさなくて…このまま過労死とかになっちゃうんじゃないかって考えたとき、どうしようもなく怖かったんだよ……」


大嫌いなはずなのに、そう思ったのは……。